福岡市六本松:ゆい結(ゆいゆい) 進化する八重山そば。

 惜しまれながら昨年3月末に幕を下ろした「川満Ryukyu-noodle」。
 その川満さんが店を昨年9月に新しく出したのは同じ六本松の裏通り。琉球ヌードルでは一般的な沖縄料理角打ちだったが、新しい店は石垣料理を志向する。「石垣ゆんたく居酒屋」とショルダーフレーズがつく。「ゆんたく」とは沖縄の言葉で何彼となく語り合うこと。角打ちスタイルで沖縄そばを前面に出した短時間ステイの店から、おしゃべりと、酒肴類と、締めの八重山そばあるいはジューシー(沖縄風の鰹出汁を効かせた炊き込みご飯)という、中長時間ステイの店への転換のようだ。

 ちなみに琉球ヌードルは、そのあと若手が頑張って切り盛りしてきたが、近く業態転換で別の路線に変わると聞いた。


 さて、川満さんの店は昨年のオープンであるが、まだ試行錯誤中だという。というよりも、これからもずっと試行錯誤して進化し続けるのではないかと僕は思う。


 しごとの忙しさもあって、しばらくぶりに行ったのが先週末。1月のお正月も落ち着いたとあってか、ゆい結に向かう道すがら覗いた他の店はお客もまばら。これなら席は空いているかなあと思いながら、住宅地の中にあるその店のドアを開けた。

 カウンターは半分くらいの入り。そして小上がりは二つあるテーブルの大きい方に男性客が3名。
 まずは川満さんに正月の挨拶をしながらビールを頼む。
 折からの睡眠不足もあって、最初っから結構なアルコールの回り方。気持ちいい。スーチカー(煮豚の塩漬けの薄切り。川満さんはハーブも仕込んでいる)を頼み、あといくつか頼んだ記憶があるが、忘れた。
 酒はビールからいつもの泡盛「瑞泉」へ。必ず「ロックで?」と小さな罠がやってくるので、「いえ水割りで!」と、即時防衛体制で身体をいたわるのである。


 後の小上がりの男性3人はまじめそうな外見と話題で盛り上がっている。時折「山原(やんばる)そばが…」とか、麺好きならではのテクニカルタームが飛び交ったりしているが、振り返ったりしないのが大人の流儀(ホントか?)。
 しばらくすると宴も満ちたのか、みなさんお帰りになった。


 その日は僕が最後の客になった。もとより僕のスタートが遅かっただけなんだけど。で、なぜか川満さんと深夜ラーメンを食べに長浜へ行くことに。屋台街のナンバーワンでラーメン食べた記憶はあるがそれ意外の記憶はない。


 ところが世の中、ソーシャルと言い換えてもいいが、意外なご縁があるものだ。翌朝ツイッターのタイムラインを覗いていたら、へのさんからのツイートが。
 実は昨晩お店についたときに「ゆい結に着いた!」などとツイートを入れていたんだが、
「昨日カウンターにいたのはしんぱぱさんだったんですね」
 というへのさんからのメッセージが。
 なんと、福岡の麺聖ともいえるへのさんがゆい結に来店されていたのだ。というか、あのテクニカルタームの会話はへのさんたちの会話だったのだ。そしてへのさんのブログには早速ゆい結の印象がアップされている。

http://heno.biz/blog/archives/2011/01/post_2006.html


 残念ながらこの日僕は川満さんの八重山そばを食べていなかった(てか、ナンバーワンの博多ラーメンが締めだったw)。へのさんのブログを見ると、僕が昨年10月に食べた川満さんのそばから、また進化しているようである。茹でたレタス、これは食感がモワリとしていて出汁を含んで面白いはず。


 そういえば、琉球ヌードル時代も川満さんの沖縄そばは進化し続けていた。無化調は当たり前。そして蒲鉾がかわり、麺が手打ちになり…と。

 ということで、10月に食べた川満さんの八重山そばを写真でアップしておく。へのさんのブログの写真と比べていただければ進化の軌跡が分かる。きっと鰹出汁の旨さは変わっていないと思うが…いや、こっそりと旨くなっているかもしれない。