熊本上通り:山水亭 街と学生に馴染むもうひとつの熊本ベーシック。

shin_papa402006-05-07

この連休中、私事で少々はしゃげない状況であった。
だが奇跡的に状況が改善。連休後半は昼飯のために街に出るということが気分的にも可能となった。

そこでいくつかの定点観測スポットをさるきまわった(熊本語で「うろつきまわった」の意)のである。
驚くべきことであった。
まるでボクが香川県内の山奥の米穀屋で出会ったような、あるいはパチンコ屋の裏駐車場で出会ったような、あるいは観光施設四国村の前で出会ったような、異様な状況が我が出身地熊本でも起こっていたのである。

二本木の黒亭。駐車場係まで出て整理しており、当然15mを超える列。
上通りの北、広丁手前のこむらさき。普段は街外れで閑散としているエリアであるが、20mほどの列。ついでに上通りアーケード内のこむらさき。こちらも5mの列。

うむ。
熊本にも土地のコネタを愛する麺通のわさもん(熊本語で「新らし物好き」あるいは「面白い物好き」の意)の方がたが押し寄せてきているのだろうか。


などと分析を語るのは心も落ち着いた今の話で、たまには桂花と並び賞せられる「こむらさき」で、あるいは映画「東雲楼の乱」で有名な旧遊郭地域に花咲いた妙味「黒亭」を愉しもうとして訪れたところ、列なす人々を見てボクは急速に根性をなくし、早々に離脱したのであった。


そうしてがっくりと肩を落として上通りを歩いていたところ。
うにょ?


空いているのである。
並んでいないのである。
あの名店が。

その名は「山水亭」。
昔は熊本ラーメンの名チェーン「味千」の一店舗であったが、20年ほど前に独立。その後オバちゃんパワーで今日まで隆盛を極める。
熊本の学生なら一度はお世話になったラーメンだ。


さっそく入ってみる。
頼んだのは普通のラーメン。
熊本ラーメンのお約束、ニンニク油は軽めの香りに仕上げられている。
チャーシューが心なしか昔より厚めになっている。
うまいなあ。

カウンターの中ではオバちゃんたちが昔と変わらないペースで働く。
急ぐでもなく、サボるでもなく、淡々と。


熊本のラーメン屋さんはオバちゃんたちが仕切っている店が多い。
それは戦後、夫を亡くした寡婦たちが始めた店が多いことによる。
いろいろな思いとドラマを思わせる熊本のオバちゃんが仕切るラーメン屋。
その昔の記憶を髣髴とさせる熊本の元気な名ラーメン屋である。