熊本市四方寄:富士ラーメン 山は大阿蘇・ラーメンは富士だぜ!

shin_papa402006-06-01

whiskersさんからのコメントでふと思い出したのである。

もう20年ほど前になるだろうか。
熊本の黒髪にあった父の家で正月の宴会をしていた。
昔は正月に上司の家にお呼ばれするという美風が残っており、父の会社の若い方がたで大盛り上がりであった。
夜も更けて、若い方々は街に繰り出すという。
そこで表通りまで若かったボクがお送りをして行ったのである。

正月も二日目。
当時は殆どの御節料理をウチでつくっていたのだけれど、それでも元旦の朝昼夜と、二日目の朝昼夜食うと飽きてくる。

若い皆様をタクシーに乗せ、ふと見るとボアッと光る「富士ラーメン」の看板。
なんと頑張って正月二日から営業しているのである。

ハラが減っていたわけではない。
しかしニンニクとトンコツの匂いにフラフラと暖簾をくぐったのであった。


今、その場所に富士ラーメンは無い。
手作り感のある不思議なチェーン展開をしており、多分工場が必要になったのだろう。郊外の四方寄に移ったのであった。しばらくは街の中心にも店舗があったが現在は再開発中でなかなか富士ラーメンに出会うことが無い。


ということで熊本市の北側の郊外にある現在の店舗の暖簾を久々にくぐったのであった。


やはりオバちゃんがいた。
この店も熊本ラーメンのセオリーである「オバちゃん」の店である。
昔はデフォルトである「ラーメン」を食べたが、今は少しの小銭がある。そこで贅沢にも色んな基本具材がてんこ盛りの特製を頼むことにした。肥の国ラーメン850円。


運ばれてくると、まずはプーンとごま油の香り。
ニンニクは揚げチップで振りかけられている。
焦がしニンニク油も熊本ラーメンのセオリーであるが、ここのゴマ油というのも軽みを感じさせる素晴らしいアイディアである。
麺は桂花より幾分細身のストレート。
以前は紅しょうがが置いてあったが、現在はなくなっていた。確かにここの味には不要である。
もやしが旨い。シャキシャキのテクスチャーが口の中で踊る。
ヌルコリッと木耳が遊ぶ。
煮卵が半切りになってひとつ分。
チャーシューは4枚。

麺と具材をいつものペースで合わせて食べていたら、最後のほうは具材だけがいっぱい残る。それはとても豊かな気分。でももう少し質素な生活のほうがいいかなと、少々反省するボクではあった。