福岡市弓の馬場:庄屋 腰抜けばい。本格博多手打うどん。

shin_papa402006-10-05

休日の午後。
例によって休日出勤で昼飯時間帯を逃したボク。
時間はもう午後3時を回っている。
どちらかというと三時のおやつの時間である。
夕食を気にしながら、でも腹には何か入れておきたい。


こういうときはうどんが最高である。
そういえば別府(福岡市の地名。べふ。)の地下鉄駅の上にうどん屋があったなぁと思い、会社から順当に家のほうへ帰る。


と。その店は昼休み中。
スタッフも少なそうだし夜もやっているから、準備時間も大変なんだろう。
仕方ないので、近くの中村学園大学の方へ歩いてみる。
大学の周りにはなんかコじゃれた食い物屋があるだろう。

…なかった。
中村学園の前、片道2車線の大通りである国道202号線沿いは、美容室と理容室だらけ。
なんじゃこりゃ。
と思いながら、さらに歩く。この先には弓の馬場という昔からのマーケット街がある。


果たして、トタンぶきの弓の馬場マーケットの向かいに、本格手打ちの博多うどん「庄屋」を発見。

この店、商品サンプルのショーケースが店の中にあるんである。
普通は店の外に置いて客寄せにして、店の中にはメニューを置くんだけどなあ。
初めて入って、ちょっとその設えが不思議な感じ。

土曜の午後とあって、客は数名。

さて、博多うどんを食べるときの基本路線は「ごぼ天うどん」である。
牛蒡の天ぷらの形状によって、さらにその店のスタンスが分かろうというものである。
だが今日はなぜか牛蒡のキブンではない。
ならば、と頼んだのが「芋天うどん」。


客も少ないのでものの数分で「はーい」と店員のオバサンが持ってきた。
まずは透明感のあるスメをずずっと。
きちんとだしをとった感のある後味。

そこで薬味を入れようとテーブルを見ると…。
おおっ、柚子胡椒があるじゃないの。
この柚子胡椒こそは九州の最新にして最高の薬味である。
柚子皮と胡椒(青唐辛子)を塩で漬け込んだ一品。
ボクは熊本の下村婦人会のものが、添加物もなくすっきりした辛味で好きである。
だが、この薬味をおいているということで、庄屋はポイントアップである。
因みにこのブログに登場したところで置いているのは熊本の「みのや」、モノによって付いてくるのが鹿児島の「吹上庵」である。

柚子胡椒を投入。
ほんの少しでよかぞ。
目分量としては小指の先っぽくらい。
すると、さっと柚子の香りが広がる。しかもその柚子の香りの向こうにカプサイシンを予感させる緊張感が漂っている(!?)。


麺は、まさに博多系(笑)。
手打ちだからといって、コシがあると思ってはいかん。
ゆるゆるの平打ち系。
おやつ感覚で小腹を満たすのには最高。
飲みすぎのお腹にも優しい(前夜、痛飲していたんであった)。


すごいのはこの芋天。
二つ乗っていて、それぞれの厚みが1センチほどもある。
これが、コロモに染みたスメの薄い塩味を感じながら噛むと、サクリとした歯ざわりと共にサツマイモの甘みが口いっぱいに広がる。
芋だから、なんだかお腹にも優しそう。


これで400円である。
たまらんのう。博多うどんの世界は。
大満足で庄屋を後にして、腹ごなしで歩いて家に帰ったのであった。
ま、歩いて10分くらいだったけど。