福岡市赤坂:大名ちんちん おおっと、ちん麺のニューウェイブ出来!

shin_papa402007-04-18

「出来」と書いて「しゅったい」と読む。
マスコミなどを受ける学生は、これくらい当然分かるくらいの漢字能力が求められる。
実際ボクも就職活動のときに初めて知った。
それまでは新聞の書籍広告の「重版出来!」なんてのを見て「じゅうはんできっ!」って、変な日本語だなぁと思っていた。


さてちん麺というカテゴリー。
ボクの人生では博多で初見である。
生まれ育った熊本の町にも、学生時代とサラリーマン初期を過ごした東京にも、出張や遊びで回った大阪・京都・奈良・名古屋・鳥取・長野・新潟・埼玉・神奈川・沖縄・北海道…でも見たことがなかった。


いろいろな資料を見てみると、戦後の博多の街で、一人のお父っつぁんが中国人のダシの取り方と麺の手法を見て、それを日本風にアレンジして、珍しい麺だから「ちんめん」と名づけて売り出したとある。
これが福岡人でも知らない人がいるけれど、一部の層には圧倒的な人気だ。
特に二日酔いの翌日の昼には大変よろしい。
スープはラーメンと違ってアブラ分が少なく、胃に優しい食材がトッピングされていて…。


というちん麺の世界にニューウェイブが。
創ったのは前にも坦々麺を取り上げさせていただいた「大名ちんちん」。大声で友達を誘いにくいあの名店だ。
ということでまずは食べてみないと。


店に入って「ちん麺」をオーダーする。
いつ来てみても若いスタッフがきびきびと働いている姿は気持ちいい。その中に笑顔が垣間見えるのは、まるでホテルオークラのサービスのようである…というのは言いすぎだが、若いスタッフが威勢だけよくて心はこもっていないというマニュアル優先の店が多い昨今では珠玉の存在である。


待つ間に他のお客さんのオーダーを聞いていると。
最も多いのは坦々麺。
そして今月のお勧め麺。4月はワンタンメンのようだ。


出てきた。
ちん麺の常識を打ち壊す、あんかけ風。
さらに赤いものがちらほらと。
少なくとも胃に優しそうではないな。


まずは麺をずるずると。
ちょいとチジレ系かな。
あま太郎や黒田屋のオーセンティックちん麺からすれば、少々細めの麺となっている。

スープはちょいと甘みを感じるトリガラ勝ちの醤油系。

そこに野菜などをピリカラのあんかけにしたトッピングが載る。
博多の麺にしては、コーンが載っているのが珍しい。
その食感をも楽しみながら。

ずるずる、ズルズル。


そもそも「ちん麺」は中国の食文化を日本風にアレンジした珍しい麺であった。
ということであればこれもありなんだな。
というか、もしかすると「ちん麺」というカテゴリーで各店が腕を競うようになれば、豚骨の呪縛から逃れて新たな福岡風の麺文化の突破口になる可能性がある。


博多のパスタ文化に新たな穴を穿つか、「大名ちんちん」その名前からしてやはり恐るべしである。