福岡春日市:末広軒 粗野にして、繊細なすっきり麺。

shin_papa402007-05-12

そのラーメン屋は、駅前ビルの食堂街の奥にあった。
暗い通路の奥のほうだ。
手前には「味の魔大陸」で以前取り上げた春日食堂がある。
地名を頭につけた食堂の名前でチェーン展開のものがあるが、ここは違う。
地元のおばちゃん、おじちゃんたちがやっている有機野菜を多用した凄い食堂だ。

けれど今日の目的はここではない。


引き戸を開けて店内に入る。
するとボクのリビドーを一気に刺激する豚骨スープのかぐわしい香りに包まれる。
きっちりと炊き上げてるぞーっという気合満々である。


カウンターの端っこに座って、メニューを選ぶ。
初見ラーメン店はデフォルトの「ラーメン」を頼むのがルールだけれど、実はココは2回目。
であればちょいと贅沢を。
チャーシュー麺ください」。
630円である。
良心的な値段ではないか。
カウンターの上のお品書きを見ると、きくらげやもやしや、その他いくつかのトッピングのものもあるが、それぞれ値段が490円だったりして。
本当に、良心的な値段じゃないか。


出てきた。
ラーメン丼の上に開いた大輪のボタンの花。
そういう表現がピッタリのチャーシュー麺
凄い。
そういう第一印象。
スープは半透明で、きっちりとあく取りなどを施された丁寧さが分かる。


見れば店主のお兄さんは、リーゼントをきっちりと決めた気合十分ないでたち。
どっかで見たぞ、こんな風景。
あ。
西新の魅羅来留亭だ。
同じような気合を感じる。


まずはスープをズズッと。
ここはレンゲはないから、丼を両手でささげ持って口をつけて啜る。


と。
透明感のある美スープにしては、凶暴な豚骨の本性がガツンと口の中に飛び込んでくる。
うおおおお。
なんちゅう、スープじゃ、これは。


次に麺を。
細麺で、エッジが立った切りタイプの麺。
これがこの凶暴スープとベストマッチング。


さらにドンドン食べても、まだ在るまだ有ると安心のチャーシューを食う。
厚みがあって、いいねえ。


グングン勢いで食べていたらアッという間に麺完食。
替え玉をもらう。


麺が茹だった頃に、
「ラーメンの器、ください」。
食いかけというか、若干のチャーシューが沈んだ、スープがまだ入っているボクの丼を一度下げる。
ほほー。
麺だけ皿にくれるんではないのだな。
この風景、どこかで見たことあるぞ。
あ。
やっぱり魅羅来留亭だ。
気合が入っているのは、アソコもココも、髪型だけではないのだ。


「はいおまちどー」と出てきた丼を見れば。
キレイに泳がされた替え玉の麺。
新たに盛られたネギ。
そして何より、沈んだチャーシューとは別に、麺の上に新たに置かれたチャーシュー。

あの、この替え玉で100円というのは安すぎではありませんか?


しかも。
替え玉で少し薄まったスープは先ほどの凶暴さをグッと鎮めて、なんと上品なスープに変貌していたのである。
ずずず。(麺を啜るさま)
ずずず。(丼に口をつけてスープを啜るさま)


完食です。
スープも残さんかった。
荒っぽさと繊細さを味わえるこんな麺は初めてでございました。