福岡市渡辺通り:ニューオータニ大観苑 こってりどっしりの坦々麺。
昨今の東京の六本木や銀座を見ると、ボクからはまるでバブルの再来のように感じる。
どこからか円やダラーがザンブザンブと押し寄せている。
午前2時になっても3時になっても酔客が街を歩く。
道はタクシーと黒塗りのクルマで渋滞中。
歩く酔客の左腕にはフランクミューラーやら何やら、何百万という時計がきらめいている。
そういえばバブルの頃、友達の商社OLは何たらのスネイクとかいう腕時計をはめていたなあ。
280万とか言ってた気がする。
そういう東京から帰ってきた昼下がり。
博多駅近くで打ち合わせを終えて、渡辺通りあたりに出た。
ちょっと遅くなったけれど昼飯を食わねば。
頭の片隅に、東京の夜の金銭感覚が残っている(奢ってもらったんだけど)。
なればあまり行けないニューオータニの中華でも食いに行くか。
ニューオータニのロビーから地下に下りる階段へ。
降りたら左が中華料理の大観苑。
おっつ。
店の前に店の方が客を待ち構えているじゃないの。
右を見たら別の店の人が同じ状態。
…逃げられん。
値段を見てから考えようとも、思っていたのだが。
席に案内される。
さすがホテルの中華料理店だ。
サラリーマンだけれど少々歳が行った、ちょいと金持ち風の皆様が食べておられる。
九州ナンバーワン企業である九州電力のお膝元だもんな。
それ関係の皆様の昼の社交場となっているのだろう。
で、坦々麺をオーダー。
一人客はボクだけ。
仕方無しに本を読みながら待つ。
8分くらい待ったかな。
出てきた。
なれば、まずはスープから。
肉厚の陶製のレンゲですくって啜ると。
おお?
ゴマよりも、ここのはピーナツペーストが先にググッとコクを伝えてくる。
塩味の後に甘みを感じる。それも濃厚な感じ。
2、3口啜っていると、最後にかすかな苦味もある。
最初のアタックは分かりやすいコク味。けれど複雑玄妙な味わいがその先に広がる。
次に麺を啜るぞ。
細めの麺。
小麦感がグッと前に押し出されてくるタイプではない。
けれどズルズル啜ると、口の中がきちんと麺で満たされる感じ。
中華麺の王道かも知れん。
トッピングはニンニクの茎がシャク、青梗菜がクニュというテクスチャー。
辛目の肉味噌がスープの中に散り、だんだんと辛味が出てくる。
聞けば大観苑は坦々麺でも有名なんだそう。
うん、なかなか旨いな。
前に食べた九州国立博物館のレストラン(ニューオータニが受託運営)の坦々麺はエビなどをあしらった海鮮風だったが、本家は肉で勝負だ。
お勘定場で払ったのは1700円くらいかな。
メニュー自体は1575円とかなんだけど、そういえばサービス料などを取られることを忘れていた。
けれど東京帰りで金銭感覚が麻痺したボクは「よかたい、よかたい」と気持ちよく払って店をでた。
ものすごいコッテリ感で満たされていたのである。