東京江古田:太陽 シンプルな味の基本的複雑玄妙スープ。

shin_papa402007-09-18

大学に合格して最初に住み着いた町、東久留米。
そこで引越しの日に腹を満たそうと思って入ったラーメン屋で、
いきなり九州生まれのボクをガツンと襲った東京風ラーメンの味。
そのことは以前「しんぱぱのほぼ日記」(本ブログからリンクで飛べる)から書いた。


その次に住んだのは江古田。
といっても町名は練馬区小竹町。
江古田という地名は中野区にあるが江古田という駅は練馬区にある。
住宅地としての江古田は中野区だが、街として呼ばれる江古田は練馬区なのである。


その江古田で、しょうゆ味の東京風ラーメンを旨いと感じる出会いがあった。
そのうちの1店がここである。


そういう青春の町へ、先々週末、久しぶりに訪れた。
行きつけの(激安の)すし屋で貝を切ってもらい、少々きこしめした後(意外と高かった。オヤヂめ、ボクが金持ってると思い違いしてんな)、懐かしい江古田の路地を通ってラーメン屋へ歩く。
すし屋もそうだけれど、20年前とあまり変わらない路地のそこここに、ボクの青春時代の悩んだ時期、耐えた時期、助けてもらった時期、そして何とか立ち上がった時などの思いが染み付いている。
あのときも、ああいう気持ちで夜のこの路地を歩いていたなあ、と。
それからすれば、曲がりなりにも何とか自立することができ、家まで構えられたのは有難いことである。
ま、家を構えたのは膨大な借金によるものであるが。


さて太陽は昔ながらの木造の店内。
煮干やカツオ節などの魚系のダシの匂い漂う空気感。
変わらないなあ。
変わったのは店主。
昔は痩せたおじさんが汗だくでスープ釜の前に陣取っていた。
今は二代目だろうか、バイトだろうか、パーマがかかった長髪の兄ちゃんが釜の前に立つ。


「ねぎラーメン、ください」


ここの釜の中をよく昔は覗いていた。
魚の節系の材料、鶏ガラ特にモミジのところ、そしてネギ、りんご…いろんなものが茹だっていた。
その釜からすっきりしたスープがドンブリに注がれる。
…そして出てきた。


白髪ネギがこんもりと。
夜のラーメン屋の明かりの下で白いネギが際立つ。
昔はもう少しラー油がまぶされていたかなあ。


まずはスープを。
…すっきりとした鶏ガラベースのうえに魚介のダシがガッツリと効いている。
うむうむ。
うまいなあ。
けれど昔よりも塩分が少し薄くなったような。
それはそれで40代になったボクにはありがたいのだが。


麺は卵麺で、太く縮れがある。
ピリリとしたネギを一緒に口の中に入れて租借する。
ワシワシと、食う。
ああ、昔に返るみたいだ。
気力がみなぎってくるぞ。
それに少しの青春の蹉跌への、ほろ苦い感覚も。
さあ、明日からまた頑張るぞ。