熊本市下通:裕 子供の頃遊んだあたりで憩う夜。

shin_papa402007-10-28

土曜日の夜。
父の一周忌の墓参りのためにまたこの週末熊本へ。
先週は自宅での法事だったが、今回は墓参が主目的。
そうしたバタバタが終わって一人の夜がやってきた。
いきつけの小さなお寿司屋さんへ行き、あれこれ食べ飲みして寿司だけ食わずに失礼する。
知人の肥後の猛女がやっているスナックへ行き、「馴染みである」という雰囲気を楽しむ。
と。
時間は夜中の1時くらいになってる。
もうこれは帰らないと…と思いながら足は行きつけのウィスキーバーへ向かうが、さすがにこの時間になったら終わってた。


なんか、もう一発ないかな?と思って見回してみると、目の前のビルの地下に伸びる通路の先に赤い提灯が。


あ。
麺、啜っとくか。


時間は午前1時半くらい。
店内には三々五々酔っ払いが入ってくる。
それとお仕事帰りの夜の業務の皆様かな。


頼んだのはラーメン。550円だったかな。
夜の店としては良心的な値段だと思う。


カウンターから見ていると、
厨房では実直そうなおっちゃんが黙々とラーメンを作っている。
この雰囲気、いいぞ。
夜の街の片隅にある実直なお店という感じ。


しばらくして出てきた。
ぷうんと豚骨とニンニクかな、胡麻油かなという香りが漂う。
そっけない外見ながら、まじめな仕事振りがうかがえる麺である。


まずはスープをば。
ズズズ。
おー。けっこう豚骨としては軽めのスープかな。
塩味も意外と軽い。
夜の麺といえば塩分やアブラ分がきついものが多い中、ここは真っ当な直球勝負である。


次に麺をば。
ズズズ。
おおお?
意外とプリプリというか、
歯ごたえに腰を感じる素敵麺。
いままでここに来なかったのは人生の損失かも知れん…と思うくらいにヨカ感じ。


思えばこの一帯。
このビルも松藤会館というけれど。
このビルの熊本銀座通り沿いにマツフジという大型電気屋さんが30年ほど前にあった。
週末ごとに入り浸り、ラジオやラジカセやステレオや…いろんなものを見て体験して楽しんだ。
あのときに電気製品を通して知ったメディアの世界の体験が巡り巡って今のボクの仕事の情熱につながっている。


そして30年。
一人の時間を過ごすため、
同じ場所の地下でラーメンを啜っていたりする。
人生って、遠くまで走りぬいていくぞ…と思っていても実はおんなじようなところを
クリクリ走り回っているだけかもね。