福岡市今泉:Nana コミュニストが元気だった時代を偲ぶ麺。

shin_papa402007-12-09

昼麺を…と思いながら歩く今泉。
頭の中には「中華しんちゃん」の味噌ラーメンという超弩級定番がチラリホラリしていたのだが。
ふと目を左下に下ろしたところ…。


「ベトコンラーメン」。


ベトコン?


一気に頭の中に「グゥゥゥゥッド モーオオオオオニン、ヴィエェトナーアアアム!」という台詞の記憶がパンパカパーンと蘇った。
エイドリアン・クロムナウアだったかな。役柄名は。
もちろんその映画を公開時にリアルタイムで観たのではない。
18年ほど前か、何の気なしにビデオを借りてみて、その面白さ凄さに、一気に座右のフィルムとしたのだった。


さて、
「何がベトコン?」という疑問と、
頭の中で「グゥゥゥゥッド…」と何回も鳴り響くコールとを気合いで抑えつつ、
ボクは取りあえず「Nana(ナーナ)」の扉を開けたのである。

カウンター席へ案内されて頼んだのはもちろん「ベトコンラーメン」。
昼飯時だからサービスでご飯がついたりする。


しばらくして、運ばれてきた。
シャンツァイも入れてもらったし、確かにアジアムード満点である。
本場モノと比べると香草の香りが弱いとはいえ、
白いアオザイ姿の素敵な少女が今泉の街のいずこかにいるような雰囲気ではある。


だが、
ウーム。
「ベト」ナム…というのは、ニョックマムのような魚醤っぽい香りで行けてる感じがする。
問題は、「コン」だ。
この「コン」は一体どこに雰囲気を求めればいいのだろうか。
赤いわけでもない。
ホー・チ・ミンの似顔絵があしらわれているわけでもない。


ま、
そういうなぞはなぞとして、
まずはスープをズズズと。


安っぽいステンレスのレンゲが気分だ。
シャンツァイの香りの向こうに甘辛い魚醤と香辛料ベースのスープ。
いいなあ。
うまいなあ。


そして麺は…フツーだ。


だが何よりトッピングがね。
ナスを中心とした野菜。
これが質素感溢れていて、でも野菜を摂っているという感じ満載で、イイ。
思わず学生時代を過ごした東京:江古田の街の「プアハウス」という喫茶店の「貧乏セット」というランチセットを思い出したよ。貧乏セットと言う割には値段が安いわけではない、野菜中心のきれいなランチセットだったなァ。


で、食べている間に、
結構熱いし辛いし、汗が噴き出してくる。
あ。
そうか。
湿度が高くて暑いベトナムの原野で豪華装備の米兵を相手に質素な食事と装備と組織力とゲリラ戦法で勝利を収めたあの方々の気概を少しでも感じれ!という麺だったのか!!


ま、そういうことにしておこう。
よかですかね、そんなところで。