東京田町:富士そば ちょいと手繰る大衆の味方麺。

shin_papa402007-12-28

以前にも、花のお江戸には鬼平犯科帳のエンディングで出てくる
屋台そばの雰囲気の店があると書いた。


二日酔いの朝、
そういう店は大変重宝するのである。


この日も朝から打ち合わせだというのに、
ホテルを朝飯を食わずに飛び出した。
正直なところ、
飲んだ翌朝に、
このホテルのお仕着せのパンとサラダとゆで卵とコーヒーという朝食はちょっと嫌だったからだ。
やはり汁物を腹に入れたい。


打ち合わせの場所は田町。
きっと駅に周りに立ち食いそばがある…と思って降り立った。
果たして新開発の南口駅前に、
関東立ち食いそばの雄、富士そばがある。
小諸そばと並んで、駅前そばの双璧をなす。
(それほどのモンではないかも知れんが)


まずは店の前で食券を購入。
この日はおなかに優しいきつねそば。
そしてオプションの落とし卵。
これで500円からおつりが来るところが偉いね。


立ち食いといいながら、
ここはカウンター席がある。
席に座って食券を出すと、いい味出したおっちゃんが「ヘイお待ち」とドンブリを出してくれる。


ダシ?
それはコンクだ。
麺?
それは冷凍だ。

だがどうだ。
この揚げのズババーンとした、「私ら大衆の味方ですッ!」という迫力は。
タマゴもいい具合にダシに溶け出さない程度の硬さに上がっている。
ネギもわかめもいい感じだろ。
どこまでも大衆の味方なんである。


ズズズと熱いそばとダシを腹に収めていく。
酔い気がグッと落ち着いてくる。


店には先客が一人。
背中を丸めてズズッと啜っている。
そうだよね。
人生のキビも分かっている、そういう親父から手渡されるドンブリを、
啜るこっちも少しくキビが分かってきている。
そういうご同輩同士が集うところ、そのような店もまたいいものである。