熊本市坪井:大金豚 大金豚ラーメンも、ソウルフル。
ある日床屋さんでアタマを刈ってもらいながら大金豚へ行った話を出してみた。この店のことはその床屋さんで最初に教えてもらったのであった。
「ええ?あのつけ麺、全部食べたんですか。量が多かけん私は途中で飽きますもんね。あそこはフツーのラーメンが、私にはちょうどヨカです」
ほー。つけ麺じゃなくて、丼ものの普通のラーメンも、いけるのか。じゃ食べに行こうっと。
「せーっかく痩せたのに。やめといた方がいいですよ」という親身の指導の声を右から左へ聞き流して、それからとことこと大金豚へ歩いて行ったのである。
その日店の前には4人の行列ができていた。土曜日の午後1時くらいである。元来熊本人は並んでまで食べようということはない。いつもココロの中に2〜3のオプションを持っていて、ソコが一杯ならアソコがあるさってなもんである。しかしここは並んでいる。いかに熊本人のココロをわしづかみにしているか、唯一無二の存在に育っているかの証左であろう。
さて、カウンターに座って頼んだのはフツーのラーメンではなくて大金豚ラーメン。だってやっぱりソウルフルでパワフルなパンチが欲しかったんだもん。
で、出てきましたよ。
もう、山盛りを通り越しててんこ盛り。
たまらんなあ。
まずはスープをレンゲで掬って口へ。トッピングに振りかけられた魚粉の香りがぷ〜んと。そして口の中には豚骨ベースに魚系だしが合わさった濃厚な味が広がる。つけ麺に比べると、麺の水分と麦の香りが混ざるからか、マイルドな感じだ。
次にトッピングをほじくって麺を。中太の多加水系麺だ。ずるりずるりと食べる。いいなあ、このスープとのマッチング…というか馴染んだ感じ。ネギとキャベツともやしをわしわしと食う。大振りの支那竹やチャーシューもいい。赤い味噌は辛みを加える調味料だろうけれど、早々にスープに溶けてしまった。魚粉もスープにばらけて、香りを増してくる。
ああ、うまいなあ。
このようなラーメンを食べられるなんて、熊本人は幸せモンだ。