福岡市大名:一心不乱 大王様ご光臨。金の塩味。

shin_papa402008-12-21

 ボクがよく行く熊本のショットバーは「王様」。
 そして最近よく行く長崎の居酒屋は「キング」。
 どうやらえらいところへボクは足を踏み入れているようなんである。
 とくに熊本の店ときたら、電話すると「はい、王様です」と店主が出てくる。おそれ多いのである。


 てなことはさておき、先日、半年来の宿題店である福岡の「一心不乱」に行ってみた。なぜ宿題店かというと、半年くらい前にも訪れて「赤の味噌ネギとんこつ」についてここで書いたことがあった。そのときに味はいいのだが…と、店のオペレーションにちょっと苦言を呈したところ、宮崎の「うしおじさん」から(オペのことは言及せず)、

「自信の塩ラーメンは原価すれすれで出してるそうですよ。一度お試しあれ!!」

 と、速攻でコメントいただいたのである。ボクも「なら来週当たり覗いて見ます」などとコメント返しして、実はそれっきりになっていた。長崎に住むものとしてはそうそう福岡まで足を延ばすわけに行かないのだ。


 けれど、約束は約束だ。ずっと半年のあいだ心に引っかかっていたので、先日は福岡の歯医者さんに行ったついでに寄ってみた。


 頼んだのは当然「金のネギ塩ラーメン」。
 食券機に金を投入して食券を買う。680円。このご時世、ラーメンの標準価格が500円台に戻りつつあることを考えると強気の価格設定だ。だが原価すれすれとなれば話はまた別。


 6分ほど待って、出てきた。
 皿の上に黄色いどんぶり。そしてちょっと濁りのある黄金のスープ。麺がスープに隠れてしまって見えなかった前回と違って、今回はきちんと見えている。スープの透明度が違うからか?


 ちょっとお品書きの写真と違うかなあ。ネギ塩というネーミングの元になったのか演出なのか、テーブル上に置いてある小ぶりなリーフレットのメニューの写真には真ん中に白ネギが小さいながらもこんもりと盛り上げてある。だが目の前の白ネギは、そんなに量がない。スープの中に普通の薬味程度に泳いでいる。きくらげも写真より少ないなあ。まあ、よし。食べてみよう。


 まずはスープをば。
 レンゲですくって口に入れてみる。天草大王使用のスープだもの、大事に味わいを見てみなきゃ…。
 ん?
 なんだか最初のインパクトはカツオのダシっぽいぞ。カツオと昆布とか、そういう最初の味・香りが口の中に広がる。確かに旨い。けど鶏のうまみとかをあまり感じない。
 リーフには「天草大王(熊本県の天草で飼育が始まった貴重な鶏)と県産(どこのだろう?)豚骨を基本素材に七種類の野菜だけで完成させる極上スープ」と書いてある。だからこのファーストインパクトは意外だった。


 次に麺を。
 黄金のスープの中に見えている。
 透き通った卵麺風。加水率が高いかどうかはよくわからないが、細いながらもぷりっとした食感がいい。
 ずるずると食う。
 これは旨いなあ。


 と、麺と一緒に口の中に入ってくるスープからカツオ系のイメージがだんだんなくなってきた。鶏のうまみが押し出されるように感じられる。不思議なスープだ。これが天草大王のチカラか?


 トッピングは白ネギ、きくらげ、緑のネギ、海苔、チャーシュー3枚(!)、煮たまご半切り二つ(!)。
 チャーシューは豚のうまみをしっかりと出した優れもの。よかぞ。
 それに煮たまごが一個分おごられている。
 おなかの満足度から考えてもこれは実にいい。


 本日の総論。最初は魚系かと思うが、途中から鶏のうまみが出てくる不思議スープ。しかも魚系の材料の記載はないから、これは秘策があるに違いない。
 最後までコシを失わないたまご麺。
 大満足のチャーシュー、煮たまご。
 680円で原価割れとは思えない(どこまで原価に入れるかという問題はある)が、680円でこれであれば、結構いいのではないかと。
 そう、うしおじさんとご来訪の皆様にご報告申し上げるしだいである。