福岡市赤坂:王龍 大分生まれ、赤坂育ち(予定)の旨し麺。

shin_papa402009-07-12

 歯医者へ行った帰り。いくつかのしごとを終えて、天神の本屋で雑誌BRURUSのバックナンバーを買い、さて昼麺をどうするかと歩いていたのである。
 梅雨の不安定な空模様。先ほどまでポツリポツリと雨が降っていたりして、そこに強烈な夏の太陽が雲間から覗いたりして、もう不快指数うなぎのぼり。
 のども渇いてきたことだし、六本松の「幟を見かけた店」(天竺の項に初出)へたどり着くのは無理だなと思ったとき、ひらめいた。
 HENOさんのブログにも出ていた王龍だ。ディテールは忘れたが、確か旨かったと書いてあった(ような気がする)。歩いているのは大名だから、そう遠くはない。


 なれば、そこへレッツゴーだ。ケヤキ通りのケーキ屋さんの角を住宅地のほうへ曲がる。確かここら辺だと思ってさらに角を曲がると、一目で分かるでかい看板がドーンと。


 時間は午後2時過ぎ。土曜とはいえ完全なアイドルタイムだな。
 店にほかにお客はおらず、コの字カウンターを独り占めだ。つってもキャバクラと違って何もうれしかないが。


 初めてのラーメン店ではデフォと決めているが、腹減り気味だったので大盛りを頼んだ。デフォが550円。大盛りは麺2玉で650円。その上に3玉というのがある。このやりかたは熊本の恵比寿ラーメンと同じだ。でもここには替え玉の表示はない。商売スタイルは博多ラーメン風ではないようだ。


 5分ほどで出てきた。
 どんぶりの下にスチール製の皿がつく。なんてことはないことなんだが、丁寧な感じがするな。


 チャーシューともやしと葱に海苔のトッピング。見た目はめちゃくちゃシンプル。海苔の上にデフォで胡椒が振られている。


 ではスープをば。
 レンゲですくってズズズズズと。


 ん?なんだかめちゃくちゃストレート勝負のスープだぞ。豚骨ながら、洗練されているといってもいいスープ。ケモノらしさはすっかり身を潜めて、分厚くもさっぱりとした旨味がギューンと。


 では次に麺を。
 箸でむんずとつかんで引き上げると。ほんのりクリーム色の美麺だ。太さは熊本ラーメンより少し細いくらい。エッジが立っているところが熊本とは違うな。
 観察はそれくらいにして口の中に。
 咀嚼するとむっちりとした噛み応え。それに麦の旨さがむわーんと広がる。おお、うまいじゃないか、これ。
 正直なところ、この噛み応えで2玉というのはちょっと多すぎたと思った。


 だが。何しろ麺が旨く、直球勝負のスープがいい感じなので口福感に浸りながらずるずると食べていると、意外やお腹に収まっていくのである。
 食べ進むうちにたまにナニするもやしやチャーシューや海苔がいいアクセントとして絡む。ただそれらは素性のいい麺やスープの前では決して大きな存在じゃない。


 10分もしないうちに完食。旨かったのでスープまで全部飲んでしまった。


 ここの店主は大分の名店の味を受け継ぎこの店をこの3月に開店したらしい。大分はラーメン不毛の地だと思っていたが、こんな旨いラーメンがあったのだな。赤坂の店主は若い。大分の店は閉められたと聞いたが、ここでこれからまた新たなこのラーメンの世界が創られていくのだろう。


 食べ終わって壁を何とはなしにみると、「第2弾 味噌ラーメン」と書いてある。現在の豚骨が直球なら、「変化球も投げてみました」ってなことだ。なら変化球も受けてみないといけないじゃないか。ということでまた近いうちに再訪することになりそうである。