新潟市万代:みかづき B級だが、老若男女入り乱れ。
新潟で不思議な風景に出会ったことは「ほぼ日」で以前に書いた。
http://geocities.yahoo.co.jp/gl/shin_papa40/view/20091022/1256137832
だが不思議光景はこれにとどまらなかった。
新潟滞在最終日。
一緒に出張していた先輩と「昼飯をどうしようか」という話になったのだ。これといって食べたい物はなかったのだが、ふと思い出したのが「イタリアン」というコトバ。週刊誌かなにかで読んだのがよみがえったのかも知れない。
そこで、目の前にいた新潟人(まったくの他人)に聞いてみた。
「恐れ入ります。確か新潟に『イタリアン』という麺類の食べ物があると思うのですが…」
おっちゃんは知らなかった。その横にいたおばちゃんが反応してくれた。
「あ、あのいわゆるイタリア料理ではなくて、ですよね」
そうそう、イタリアンはイタリア料理ではないんである。
そうして教えてもらったイタリアンを食べに新潟のバスセンターへ。
どんな店構えなんだろうと少しワクワクしながら階段を上がって二階へ。すると、なんとういうことでしょう…? 目の前には見事なファーストフードチックな店が。それもドムドムバーガー系の少々お安い系の外観(ご関係者の方、おられましたら悪く思わんでください。だって印象がそうだったんだもん)。
本当にここで麺類が食えるんだろうか?そう訝しがりながら店内を覗くと。
おお、店のカウンターで麺類と思しき物が手渡されている!
なら入ってみなくては。
ということで嫌がっている先輩(46歳のボクより年上)を引っ張ってご入店となったのである。
さすがに先輩をカウンターに並ばせるのは忍びなく、さきに席に座ってもらった。
先輩もボクも頼んだのは基本の「イタリアンセット」。
数分して呼ばれたのでトレーを受け取りにいく。
いわゆるファストフードのトレーの上に乗っているのは、そのパスタ?と、おなじみのポテトとドリンク。プラスチックのフォークが添えられて全くファストフードである。
パスタは、もやしを絡められたいわゆる焼きそば。ショウガ酢漬けが薬味的に。それにトマトソースがどろりとかけられている。
焼きそばは食べたことがある。
トマトソースの旨さも知っている。
だが。この二つが合わさったのは、食べたことが無い。まずいはずはないが、その必然性が、ない。
この食べ物を目の前にしたとき、ボクはそういう感覚上の戸惑いに襲われたのである。
食べた。
いわゆる焼きそばである。トマトソースが絡んだ焼きそばである。
まずかない。
いや、どちらかというとジャンクフードとしては旨い方だ。
横を見ると高校生のカップルがうれしそうにずるずると食べている。
カウンターを見ると、持ち帰り5皿とか、おばちゃんが頼んでいる。その後ろには60歳くらいのおじさんが並んでいる。合計10人くらいが並んでオーダーを待っている。
ううむ。これは一体なんなんだろう。
アメリカに端を発したジャンクフードは、米どころ新潟で、なぜか焼きそばとイタリアンなトマトソースを邂逅させ、地域の大人から子供まで、虜にしているのである。
これはイタリアンが偉大なのか、ジャンフードというアメリカの発明が偉大なのか、それとも独自の組み合わせを実現し食べ続けている新潟人が偉大なのか。
いまだに心の整理がつきかねている。