福岡市別府:シュビドゥバ 2009年博多ラーメン箸納めはここ。
わが町別府(べふ)にこつ然と現れた博多ラーメンの星、シュビドゥバ。
西新の名店「未羅来留亭」の色を濃厚に遺す銘麺の店だ。ボクのこのブログで取り上げたところ、それを読んで訪れてくれた同僚のK君には大受け、先輩のHさんには「うーん、どうもなあ」という反応を頂いた。
でもボクは好き。
特に替え玉したときの感動がいい。
ということで、2009年を締めくくるにはどこの麺がいいのか、というのが家族と過ごす12月29日の課題であった。
家族で行くとなるとお値段のことも考える。
妻からは大きな道沿いで最近めきめきと客数を伸ばしている京都ラーメンチェーン店(本社は大阪だったか)がいいという意見が出た。
娘からはワンタンがおいしい黄色い店がいいという意見が出そうだった(ただ外に食べに行けるだけで浮かれていたらしく、ボクと行ったことがある店をアソコココと言いつのっていただけだった)。
さらに妻は娘が通っているそろばん塾の先生からの「通信」を持ち出してきた。そこには「私が好きなラーメン屋さん」として小さなコラムが載っていて、そこに書いてあったのがシュビドゥバと富ちゃんラーメン。
では歩いて行けるシュビドゥバに、決定。
ボクのマンションから歩いて6分くらい。
店の目の前で、ボクらと同じような家族連れ発見。互いに譲り合いながら店に入る。幸いなことにカウンターと2人がけの小さなテーブルしか無い店内には先客が一人だけ。よかった。ここでどちらかの家族だけしか入れなかったら後味悪い感じになるところだった。
ここのお値段は秀逸。無科調でうまみがぐりんぐりん効いているデフォの麺が480円。当然、妻と娘とボクの分を「ラーメン、ください」と頼む。メニューにはもやしラーメンとかチャーシューメンとかも書いてある。
ところで、メニューを見ながら娘が「チャーシューメンにしようかなぁ」とつぶやきだした。すかさずそれはやめなさいとフツーの麺にさせた。若い頃から贅沢を知ったらイカン。それが消費者としての美徳だ。いうまでもないことだが、欲望のままに買い与えられるような環境で育てられた結果、自分の欲望を抑えられないようなダメな人にならないようにという親心である。
そうしてやってきたラーメン三杯。
さすが博多ラーメンだから出てくるのが早い。カウンターの中の素敵な兄ちゃんと、奥様だろうか、女性のコンビネーションもよくて実に気持ちのいい店だ。
豚骨ベースに醤油の褐色が美しいスープ。
そして煮豚にキクラゲにネギ。実に思い切りのいい単純基本構成。豚を炙ったりとか策を弄していない直球勝負。素敵だ。
ではまずは麺をずずずっと。
麺の固さは「フツーで」とお願いしているが、一筋一筋がプツプツッと歯切れのいい感じ。それでいて固くはない。
あっという間に麺とネギを食べ終えて、替え玉をお願いする。
丼ごとカウンターに預けると、やがて麺をきれいにスープにたゆとわせ、ネギを新たにあしらった面持ちで返ってくる。
麺の茹で具合は前と同じだが、麺が泳ぐスープの温度が下がっている分、口に入る時分の麺は少し固麺になる。これがまた、いい。
実質2杯目は少し趣向を変えて、カウンターの上にある辛子高菜と胡麻とニンニクを投入。1杯目では博多ラーメンの王道だった麺が、2杯目では少し凶暴みを帯びた旨さとなる。
またあっという間に2杯目を完食。
そして横を見ると、妻も娘もまだ1杯目をもそもそ食べているのである。
こういう早い食い方がメタボの元になるんだが、でも博多ラーメンは勢いでズバズバッと食いたいんだよなあ。