熊本市花畑町:桂花 新年から信念が揺らいだりして。
新年最初のアップはボクのソウルフードである桂花。
年末にアップしたシュビドゥバに続き、家族での来訪だ。
向かった先は桂花総本店。
総本店というと重厚で古めかしい建物と相場が決まっているが、ここはめちゃポップ。デコラ張りバリバリの、軽さが身上の店造りだ。しかも注文は自動販売機による食券制。
入ってすぐの自動販売機の前で、さて注文。
で、メニューを見てみると。
「ラーメン 600円」。
…ん?
値上がりしとらんか?
いつもはこの総本店ではなくて、郷土のデパート鶴屋百貨店の地下のお店で食べるんだが、確か以前食べたときには571円とか微妙な金額だった気がする。
しかし何より「ラーメンはワンコインで」と500円台以下を主張していたボクなのに、その依って立つ水準点としている桂花ラーメンの値段がツーコイン(500円玉と100円玉)となっていることに気づいてしまったのだ。
忘年会をやったから昨年の言動は忘れました…この線で今後このブログを進めるべきなんだろうか?
とはいえ、ここはひとつ景気良く息子とボクは「大盛り」を頼み、妻と娘はフツーのラーメンを頼んだのだった。
「あ。大盛りになると煮玉子が2個になるんだね」
やってきたラーメンを見比べながら気づいたのは妻。
「あげようか?一個」
この玉子が2個入っているのがうれしくて、大盛りを食べられるようになったヨロコビを噛み締めたボクの幼少時代のことはずいぶん前に書いたのだが、齢46歳ともなると、そこは自分の欲望を抑えることができるのである。ひとに大事な煮玉子を「あげようか?」まで言えるのである。
人間はやはり成長するものだ。
「いらん。」
そこまで感慨に耽りながら煮玉子をオファーしたボクのコトバは、あっさりと妻に切り返された。
ま、夫婦なんてそんなもんだ。
そういういつもの何気ない幸せを思いながら、変わらぬ桂花の味もフツーの幸せとして噛み締められる、そういうボクにとってのソウル空間。
それが桂花ラーメンである。