熊本市手取本町:桂花 元気です、桂花ラーメン。
今年の重大ニュース。
年末に近づくと「重大」や「十大」のタイトルでニュースワイドショーがよく特集をやる。
でも、そんな「重大」とか「十大」は、人によって違う。番組ディレクターが勝手に決めるのはおこがましいし、それを擦り込まれるように納得してしまう視聴者にも問題がある。ニュースや事件はそれぞれの立場によって受け取り方や重さが違うし、それを自分の脳と心で判断し軽重を位置づけて行くべきだ。いまの社会は全体的に情報を自主的に選択する能力がもの凄く弱ってきているという気がしてならない。
僕にとって社会的ニュースの中で大きかったものの一つは11月1日の「桂花ラーメンの民事再生法適用」だった。
桂花ラーメンについてはここに縷々書いてきたので新たに述べることは無い。僕のラーメンにおける水準点はここにある。絶対音感ならぬ、絶対麺感である。
それにしても、どうしてキャッシュフローが回らなくなったのだろう。
ほかのラーメンチェーンと比べて投資額はそれほどに見えなかった。
今年の12月11日、熊本に帰省した際に、郷土のデパート鶴屋百貨店の地下にある桂花ラーメンに行ってみた。
頼んだのは、今だに初めて食べたときの感動を覚えている「大盛り」。
出てきたのを見ると、前と全く変わらない(当たり前か)。
子供の頃に感動した「煮玉子一個分乗せ」(並は半分しか入っていない)もそのまま。
では、まずはスープをば。胡椒をサッサッとふるって(これが昔っから、出にくいのよね)、レンゲで掬って口へ。ズズズっと啜ると、豚骨の濃厚な旨味と、麻油の焦がしニンニクの香りが口の中に広がる。ああ、うまいなあ。
で、麺を。最初の一口は具材を除いて麺だけで勝負だ。
固めの麺が噛むごとにきっちりと麦の旨味を舌の上に広げて行く。
もぐもぐ、もぐもぐ。歯ごたえがいい。これぞまさしく熊本ラーメンの醍醐味だ。オーセンティックだ。
あああっ、旨いなあ。本当に桂花は僕のソウルフードなのだと再確認。
食べ終わってゆっくりと店内を眺め回す。
時間は午後1時半くらい。
お昼のピーク時が終わっているせいか、店内にはお姉さん一人と、厨房におじさん一人。
そういや、前はお姐さん三人と、厨房内にも三人くらいのおじさん方がいた。
民事再生法適用前は、人件費も重かったんだろうなあ。
でも味は全く変わっていない。
まさに僕のソウルフードのままだった。
このまましっかりとやって行ってほしい。少なくとも僕が死ぬまでは。