熊本北部町:えびすラーメン 国道3号線沿線に銘ラーメンあり。
前に鹿児島・吹上庵や苅田・資さんうどんのときにも書いたのだが、
ボクは街道沿いや国道沿いの店に偏見を持っている。
吹上庵の黒豚板そばや資さんうどんに打ち崩されながらも、抜き去りがたくそれはある。
だが何年も店を構えていて、なおかつ時間を外して行ってもクルマが停まっているなり、ヒトが溜まっているなりのトコロはさすがに違うという見識も持っている。
この店はローダウンしたワンボックスカーが2台停まっているという状況であった。
従業員のクルマか?あるいは不良の来客があるのか?
一種の賭けでもあった。
しかしこのときはボクら一家の腹の減り方が、「ロードサイドだが旨いかも」「いや、まずいかも」という心の中の論戦を休戦にしたのである。
まず、食おう、と。
土曜日の午後2時半。
ボクら一家は恐るおそるドアを開けた。
とたんに匂う、トンコツラーメンと焦がしニンニクのハーモニー。
おおお、これはいける店かも知れん。
横を見ると妻のクミコも「おお、これは期待できるかも」という顔をしている。
頼んだのはフツーのラーメン3杯。
娘のシオリは、ここではまた小皿作戦に格下げである。
別に罰を与えているわけではない。もう少しすると夕ご飯だからである。
ただ、頼むときに少しの不安がよぎった。
「2玉入り」「3玉入り」さらに「替え玉」という貼り紙が見えたのである。
量で勝負の店か?
替え玉という、博多ラーメンにおもねった店なのか?
ほかに客もいなかったせいか、5分ほどでラーメンが出てきた。
みれば正統熊本ラーメンである。
まずはスープをすする。
ずいずいずいっと。
おお、濃厚なトンコツの風味はあるが軽い。どうも野菜のうまみを重視したスープ作りのようである。
旨いじゃないの。
と。テーブルの上に辛子高菜はっけーん。
辛子高菜を入れるのは博多風ではあるが、少し熊本市よりも北側だしそういう風情もありかなあ、などと考えながら。
いつもの調子でどさりとラーメンに投入。
すると、ラーメンのスープが一気に赤っぽくへんしょーく。
ししし、しまったあ。
一口すすってみる。
からあああああああっ
ラーメンは旨い。クミコもリュータローも一発でこの店のラーメンをお気に入りランク上位に投入。
ただし。辛子高菜は鬼門である。怖いもの見たいヒトはどーんと投入すべし。