福岡市中央区赤坂:黒田屋 福岡オリヂナルだ「ちんめん」。

shin_papa402006-08-27

福岡に転勤してきて、先輩にいろいろと連れて行ってもらった。
その中で「ううむ」と唸ったのが、この「ちんめん」である。

なんとも、曰く言いがたい麺のカテゴリーである。
ボクが暮らした東京にも、熊本にも、仕事で訪れた大阪にも京都にも鳥取にも鹿児島にも沖縄にも、ない。見たこと聞いたことがない。

それが、この博多では日常にすすられているのである。

「ちんめん」。

ちゃんぽんでもない。
ラーメンでもない。
ましてちゃんめんとかの、ちゃんぽんの出来損ない(失礼)でも、ない。


福岡市内には、主に2系統数店舗の店がある。
ひとつは「あま太郎」。どの店が元祖かは知らないけれども、大手門の店はおばちゃんが一人で切り盛りしていて、大変元祖本家っぽい雰囲気である。あま太郎はそのほかに駅やらイオンやらに出店しているらしい。行きたい方はググッてみてください。


今回行ったのは、もう一方の「黒田屋」。
腹も減っていたので、五目ちんめんの大盛を頼んだ。720円だったかな。


さあ、出てきたちんめんを見てくださいな。
ラーメンか、と思えば竹輪が乗っている。
蕎麦か、と思えばチャーシューのようなものが乗っている。

スープを一口すすると、支那そば系(つまり、油の旨みに頼る時代の前の東京ラーメン風)でありながら、ダシの味が少々勝るか、というお味。
決して今風の醤油ラーメンスープではない。
だが和風の汁でもない。
スープの元は、トリガラと見た。
表面にはチャーシューから出た油が小さく漂っているだけで、きわめてさっぱりした味である。

麺は、ここのちゃんぽん麺の、少々細めなもの。
もとよりここのちゃんぽん麺は、お宝やと同系の、腰がぐっと入った粘り系の麺。
少し細い分最初は腰に気がつかないが、食べているうちにぐいぐいといい歯ざわりになってくる。

そして食べ終わると、唇がぬらぬらになっていることもなく、いい感じである。
できれば酔っ払った後に食いたい。

だが、この健康的な麺は、あま太郎も黒田屋も、大変健康的な時間帯で終了なんである。
その時間帯に出せば、ボクらのような酒徒は喜び、お店も相当儲かるだろうに。
こんな時間に終了する、博多のさらり麺。
それもひとつの博多の不思議ではある。