熊本市通町:桂花 店主盛ラーメン、ボクには豪勢過ぎて。

shin_papa402007-01-07

おせち料理は飽きる。
飽きるけれども、毎年飽きるほど食べなくてはならないものだ。
だって、それが正月なんだから。

そしてそっと、家族には黙って息抜きに行くのが大人の楽しみってモンだ。
今年は事情があって祝えない(って、酒飲んでおせち料理食ってるけど)我が家の正月。
神社に参っていいものかと思いながら、でも神棚のお札は新しくせねばならんだろうし…と家族には告げて、寝正月を実践している家族を残して三社参りに出たのである。
正月二日のことである。


そう、九州熊本は三社に参るのだ。福岡もそうらしいが。
東京ではそんな回りくどいことはなかった気がするけれど、それはそれで行きかう善男善女に身を任せて街をさるくのもよか正月キブンですたい。


藤崎宮、手取神社、加藤神社と周る。
八幡神と道真公と清正公に御挨拶しておけば、まあよかろう。
手取神社で後輩のK柳君一家に偶然遭遇。
「先輩、先輩は今年お参りしてよかつですか?」と七回くらい責められつつ、こちらも何か憎まれ口を返した気がするが、ようともう覚えとらん。
正月じゃ。許せ。

で、おせちに飽きた口と胃袋を満足させるには…と入ったのが、ボクのスタンダードでありソウルフードである桂花。今回は鶴屋百貨店地下の店である。


正月ということもあり、自分に新たな出発という自覚を持たせるために、かねてより垂涎の存在であった「店主盛ラーメン」を頼んでみた。要は、通常ラーメン+チャーシュー増設+ターロー麺の上滑り少々載せ+高菜ラーメンの上滑り(=高菜ね)載せ…という大変豪華な、まさに正月にふさわしいラーメンだ。


で、出てきましたよ。
見るからにヘッドヘビー。
つんのめり系で食べないとイカンな。


まず心を落ち着かせるために具材の下の麺をほじくり出してズルリ。
いつものように噛み締め心地のいい麺である。

煮卵はデフォルトのラーメンと同じく半切り。
チャーシューは…面積がでかい!
薄さはいつもと一緒だけれど、満足ですな。
ターローの具材であるキャベツと角煮もよか感じ。
そして意外だったのは、高菜ですわ。
高菜が、ご飯のアテにするときよりもやや大ぶりに切られており、それが小さな肉と一緒に軽く炒められている。
何たる小技であろうか。


だが。
いつも質素なトッピングに慣れきっているボクである。
いつものペースで食べ進めた前半。
気がつけば膨大なトッピングに対して残る麺がちょびっと。
特に煮卵やチャーシューやキャベツに比べて塩分が強めの角煮と高菜が残っているのであった。
ああ、何たることか。
質素を旨としてきたボクには豪勢な具材トッピングは、まだまだ自分のものになっていない世界だったのだ。
見れば隣の席で、リタイヤドの老夫婦と孫と思しき家族がデフォルトのラーメンを楽しそうに食べているではないか。


正月だからと、つい財布に金があるからと浮かれきっていた自分に罰点黒星五つをつけながら、ボクは楽しげな家族で賑わう鶴屋地下の桂花を後にしたのであった。