福岡市上川端町:かろのうろん ガツンと激ウマのスメに酔う。

shin_papa402007-01-22

今日は風邪ッぴきであった。
お昼の仕事が博多区で終わり、珍しくこちらに来たからには機会を活かさねばとは思うものの。
最近、博多駅前3丁目あたりも坦々麺の激戦区であるらしい。
目はきょろきょろするが、腹は「やめとくれよぉ」と懇願する。
土・日と熱発(これは沖縄の言葉だな。東京風には「発熱」という)して殆ど寝ていたボクには、まだあの刺激は重すぎるかな。
であれば、博多のソウル麺の原点、うどんを攻めなくてはなるめい。


ということで暖簾をくぐったのは御存知、かろのうろん。
博多の町衆の守り神である櫛田神社、通称おくしださんの、門前にある。
ん?正確に書くと、裏門の、そのちょっと横丁の方にある。
角(かど)っこにあるので、かどのうどん。
それが無理やりなまって、かろのうろん、である。
観光客のカップルさんは、この微妙な蘊蓄を彼・彼女に教えながらいざなうこと。いいですね。


店内はいかにも博多のうどん屋である。
木の小さめの丸椅子。
狭めのテーブル。
そしてネギ。
丼の中に入ったネギは掛け放題。
昔は博多も熊本も、地元系のうどん屋はすべてこうだった。
それがバブル以降に関東系のコンサルに頼った地元系うどん屋はそのようなおおらかさを失っていった。悲しいことである。
だが、ここにはまだその美風が残っている。
素晴らしいじゃないか。


頼んだのはごぼ天うどん。
カバンから取り出した小説を一ページ読むまもなく、出てきた。
ならばとワシワシとネギを入れる。
そしてまずはスメをズズズッと。


ん?
…。
おおおおおお!

まさにそんな感じ。
最初は魚系ダシの味が醤油の香りと塩分と相まって、
どちらかというとそっけないくらいの尖がった味覚がガツンと来る。
それを喉の奥に送り込むと、
それを追いかけるように、
羅臼昆布の力強い旨みが口の中に広がるのである。
美味いは、甘いの転化ともいう。
甘くはないけれど、口の中が幸せになるのである。
当然、変な後味はない。
こんなに幸せなスメは、あまり体験したことがないぞ。


でうどん麺は、博多平均よりも少し細めか。
博多うどんとしては意外とむっちりとした歯ざわりである。
コシは、ないほうかも知れんが、むっちりである。


さらに意外だったのは、
前回行ったときはオバちゃんがうどんを出してくれたのだけれど、
今日は若目のお姉さんが二人いて、
お水も少なくなるとすぐ注してくれたりして、
大変そちらの面でも幸せな気持ちになったことである。


ごぼ天うどん470円。
それでこんなに幸せになれるのは、ここくらいではなかろうか。
名物に、うまいものアリの名店と見た。
(お姉さんのシフトは時間帯によるかも知れんけど)