鹿児島市山之口町:桃源 正統鹿児島ラーメン御一行様。

shin_papa402007-04-29

夜の賑わいが素敵な街、九州には大きくいって二つある。
ひとつは博多。中洲は往時の賑わいに及ばないといいながら、なかなかどうして、である。しかし大名、その他の地域に若い飲み手が移っていっているのもまた事実だ。
もうひとつは鹿児島天文館。大人がさんざめく夜の賑わいは未明まで続く。
熊本も夜中に人は出ているが、金を払うべき大人は早々に帰ってしまう。残っているのはアーケード街で夜を明かす若者。

博多が好調な理由。それは九州の人間力≒経済力を一身に集めているからだ。
鹿児島が好調な理由。それが分からない。工業出荷額は落ちているようだ。焼酎業界は蔵にもよるが好調がまだ続いている。けれど天文館の絶好調が焼酎蔵のオーナーや社員だけで保たれているとは考えられない。


さてそんな天文館で後輩と二人酔っ払った後。


「ちょいと麺でもすすっていこか?」
「ええーっ。身体に悪いんじゃないですか、こんな夜中に食うなんて」
先に声を掛けたのはボクである。
最近ボクの周りのメーリングリストで「しんぱぱは、よくあんなに麺ばかりたべているよね」と評価?された。
そのウラにはこのように自分の身体も後輩の意向も無視して突き進む強い意志が、必要なんである。


入ったのは前から気になっていた「桃源」。
斜め前には人気店「とんとろ」がある。
うちの会社の博多からの転勤族にはとんとろが人気だ。
たしかにコッテリとした一杯には満足感がある。
けれどそこから十数メートルしか離れていない、少し照明が暗めのこの店は鹿児島に出張することが増えた3年前から気になっていた。


「らーめん、ください」
いくつかのバリエーションがあるが、まずはデフォルトをオーダー。
白い魔法の粉なんかが入ったりするのを見ながら少し待つ。


はーい、とおばちゃんが持ってきてくれた。


ちょっと澄んだ感じのスープ。
豚骨かな、トリガラ率も高そうな気がするけれど、わからん。
けれどひとついえること。


鹿児島の正統ナンバーワンと評価の高い「のぼる屋」系の存在感だ。


ずるずると啜る。
高い天井はすすけている。年数がたっているんだな。
ほかのお客も、無言でずるずると啜っている。
ここには「とんとろ」のような喧騒はない。
けれど静かに時を刻んできた地域の名麺としての矜持があるようだ。
いい感じだなあ。


具材はもやし。
チャーシュー。
ネギ。
かごんまラーメンのお約束ですね。

シンプルで、鹿児島のよさをまた再確認したラーメンであった。