福岡市天神:新生飯店 ほら、都会の片隅に旨い店が。

shin_papa402007-08-19

ボクのマーケティングのお師匠のうちの一人の名言。

「東京で3大メシ不味い街。それは池袋、新宿、渋谷」。
理由は、テナントの飲食店が多く、
それは原価率に跳ね返り、
結果的に平均値を取ると美味しくないのではないか、という炯眼である。
で、同様かそれ以上にテナント料が高い銀座は、別なんだそうで。
なんでもすぐ裏に築地があり、また大企業の偉い人が食べに行く店の率が高いので、
店もそうそう変なものを出せないというのがその理由だそうだ。


それを身近かなことに当てはめると。
テナント料を払っていない、つまり自分のとこでやっている店か、
めちゃくちゃ古くて仮にテナントであっても借料がどう見ても安そうなところは期待値が高いということになる。


先日の「サラリーマンの街は…」の伝で、今回はそういう都会の片隅で古くからやっている店はないかと探してみた。


あった。


めちゃくちゃ暑かったその日、天神のジュンク堂で本を買って、
その横の横丁みたいな薄暗い小路を覗いてみると。


「新生飯店」という表示が見えた。
さらに、「モツ鍋」と赤い提灯に墨で大書きしてある。

いやいや昼からモツ鍋というのはなァと思いながら、でも新生飯店とは中華料理屋のことではないかいなと思い、恐る恐る店の中をうかがっていると。


「いらっしゃーい」
と店の中から挨拶をされてしまった。
なれば入らないわけには行かないだろう。


入って壁の表示を見ると、
「ちゃんぽん」
「さらうどん」
「味そうどん」…。
北京料理と書かれているにしては品数が少ないような気もするし、ジャンルとして偏っている気がしないでもない。


まあ、細かいことは置いといてちゃんぽんをオーダー。


建物も店の造作も見事に古い。
レンジフードなんて、最近の洒落こいたものではなくて、
厨房を全部覆ってしまいかねない勢いの迫力モノ。
これは都会の片隅の期待値が高めの店として、結構最右翼の方だなあ。
なんてことを観察しているうちに、ちゃんぽんが出てきた。


炒めた野菜の盛り方が、凄い。
豚肉や薩摩揚げのほかに、ゲソも一緒に炒められている。

そう、この海産物が入るというのが、いいよなあ。

スープはネットリとした旨さ。
これはトリガラがベースだと思う。
で、濃厚なこのスープは見るうちに表面にゼラチン質が膜を作っていくほどである。
すげーな。


このスープを絡めるようにして、
麺を食い、
炒めた野菜やらナンやらを、食う。


わしわし、食う。
そういう表現が似合う。
ちゃんぽんは九州のソウルフードであることを再確認しながら、スープまで頂きましたョ。


豪華ではない。
けれど、
即席やコンクではない、しっかりとシゴトをされている日常のもの、
そういう凄さを感じる一品である。