大分市都町:齋 大分にクール系蕎麦屋を見た。

shin_papa402007-10-24

ここ数年間、大分へ訪れること数回。
麺にトライすること、これも数回。
そのたびにネタにできないことを憂いながら箸をおいたものである。


悔し紛れに大分駅へ向かうタクシーの中で何回か運転手さんに尋ねたこともあった。
そのたびに答えは
「大分は団子汁の文化ですからなあ」
というヒトコトだったのである。


団子汁も立派なパスタ系麺文化ではある。
しかし蕎麦もうどんもラーメンも不毛なのか…そういう疑問が最初は大きくわだかまっていた…そして度重なるたびに風化して、「大分にはホソッこい、啜るための麺文化は育っていないのかなあ」と諦めの境地に近づいてきていたのである。


そうした数日前。
その翌日は仕事のイベント実施というある夜。
大分の仲間と飲んだ後で、
「麺、手繰りたいよなあ」。
ついつい言葉に出してしまった。


「あ。ありますよ」
大分の仲間がコトモナゲにいう。
ほんとか?
と思いながらついて行くことにした。


歩くこと数分。
大分の仲間が立ち止まったのに気づかずにボクだけ数歩進んで、
「え?」
と振り返った。


「ここで、蕎麦なんてどうですかね?」
大分の仲間が指差す先には、およそ蕎麦屋とは見えない鉄骨むき出しの現代風狭隘敷地向け建築。


ほー。そう軽い驚きを心の中でつぶやきながら中に入る。
店内は薄暗く、BGMはジャズだったか。


あったかい「齋そば」を頼む。


しばらくして出てきた。
掻き揚げ、山芋、月見が載っている。
スメは薄く透き通っている。
店内のわずかな照明に、きらきら光って涼やかな面構えである。


おお。
これはいけるかも知れん。


まずは蕎麦に敬意を表して、
麺をズズズとすする。


お?
これは更科系の綺麗な蕎麦麺ではござんせんか。
九州には珍しい、きちんとねばり腰のある更科系。


スメはしょうゆ味塩味薄めで、
蕎麦の風味を引き立てる。


なんと、不毛と思っていた大分に大変な美麺があったものである。
これはもしかするとボクの一方的な勉強不足だったのか。


これはきちんと大分の町を探索しなくては…などと思っているうちに、大分のイベントから阿蘇の山の中のイベントへ、転戦の日々なのであった。