福岡県志免町:島系本店 グググッと食べ応えありの博多銘麺。

shin_papa402008-03-25

博多ラーメンの身上は、極細麺の、替え玉ありである。
スープは獣臭が大なり小なりあるさっぱり系とこってり系。
煮豚系のスライスが入る。
共通項はこれくらいのもんだろうか。
あとは店により辛みそが添えられたり、紅ショウガがあったり、シナチクが入ったり、ごまや高菜が入ったり。
魚市場や港湾作業がある長浜で最初に特徴づけられただけあって、注文から出てくるまでに時間がかからないような麺やトッピングになっている。替え玉も、だからこそのシステムである。


だが。
それと全く違った道を歩んでいる銘麺がある。
場所ももはや「博多」とはいえない。
だが福岡市でもないというと、結構多くの人が「ええっ?」と驚くだろう。
福岡空港の東側。たぶん徒歩10分くらい。
でもここは「福岡県糟屋郡」なんである。


そう、今月22日の土曜日の昼。ボクは独りぼっちの昼飯を楽しむためにここに向かったのだ。
前回も書いたが、ボクんちはすれ違い家族。
単身赴任地である長崎から帰ってきたボクは、この土曜日も「久留米のプラネタリウムに行ってくるねエ」という妻子が朝から出て行ったあと、マンションに一人残されたのであった。
そして昼。
メタボのボクでも腹はすく。
であれば木曜日のようにエトランゼ気分で博多の銘麺を啜りに行こうじゃないの。


というわけで空港付近の渋滞にはまりながらやっとたどり着いたのは「島系本店」。
なにしろこの立地がすばらしいね。
まず、「郡」にあること。
次に、パチンコ屋さんに接した。ホームセンターの駐車場の一画に間借りするようなプレハブが建っていて、そこで営業していること。これは讃岐うどんの銘店「あたり矢」を思い出すよ。
三つ目に、とんでもないものを出すこと。そしてそれが豚骨系の麺として凄みを感じるほどの存在感を示していること。


入り口横の自動販売機で食券を買う。
いろいろバリエも楽しみたいところだが、ここはベーシックな「ラーメン」とする。
それでドアを開けて…と。
あれ?
数ヶ月前にきたときは満席だったのに、今回は誰もいないぞ。
でも、ま、土曜日の午後2時くらいである。
アイドルタイムといえなくはない。


頼んで5分も待ったか。
「ニンニク入れていいですか?」という問いに、今日は休みだからなと、思いっきり「はいっ!」と元気よくお願いする。
さらに1分ほどして「はいおまたせ」とラーメンが出てきた。


他店比1.5倍程度の質量の麺。
それが比較的太麺ときている。
これでガッツリと食えるわけだ。
スープは見た目こってり系の豚骨だが、レンゲで掬って味わえば、その奥に魚介の豊かな味が広がる。

トッピングは博多ラーメン他店にはない「茹でもやし系野菜」。
そして他店比200%以上の、煮豚のブロック。

さらに「これでどうだ」とばかり乗せられている生のつぶしニンニク。
これがピリリと味を添える。


やっぱりここはすげえ。
しかもこれで600円だか、500円プラスアルファだか。
このコストパフォーマンスはボクの水準点を構成する「桂花ラーメン」並かそれ以上かもしれん。


で、常連さんとの会話をチラ聞きしていたら、
風邪引いて店をしばらく休んでおられた由。
それでお客が今日はまだ復活していなかったんだな。


いずれにせよ、木曜日といい、土曜日といい、博多の銘麺を満喫する休日ではあった。
(家族とは完璧すれ違いでだったけどね)