福岡市天神:一心不乱 旨い。獣臭よりコンサル臭あり。

shin_papa402008-06-26

 雨の中、腹を空かせて天神を歩いていた。肩からかけているバッグはもうびしょぬれだ。ちょっと歩いて赤坂の松島で迫力とうまさのうどんを食うかなあと思ったが、雨に負けた。どっか近くで麺ものがたぐれるところはないか…。


 と、道ばたに入ったことがないラーメン屋が。雨の中30秒悩み、飛び込むようにして入った。


 座る場所を見つけ、バッグやらを置きながらお品書きを見ていると、
 「券売機で食券を買ってください」
 奥の方に3、4人、若いお運びさんとおぼしき女の子が固まっていて、そのうちの一人が声をかけてくる。はは〜、ここは女の子の定位置が決まっているのだな。ということはテーブルウォッチとかの気を使う作業はマニュアルから除かれているのかな…と思ってテーブル上を見ると水差しまで置かれている。バイトはお運びさんと、食後のテーブルクリーンだけすればいいことになっているようだ。こりゃコンサル系かな。


 メニューはスープ別に黒のとんこつ、白のとんこつ、赤の味噌とんこつ、金の塩と4種類もある。うーむ、選ぶのが面倒くさい。そう思いながらも一番目立つ赤の方に目がいく。
 「赤のネギ味噌とんこつラーメンください」
 頼んだ後でさらにメニューを見ていると、金のネギ塩ラーメンは我がふるさと熊本の名産である天草大王を使っていると書いてあるではないか。ああ、こちらを頼めばよかったと思ったが、後の祭り。


 5分ほどして出てきた。
 さらにテーブル上の宣伝ツールを読んでいたボクは、頼んだラーメンが宮崎ラーメン、そのなかでも日向ラーメンといわれるカテゴリーだと知った。ううむ、これは初めての出会いバイ。


 まずはスープをずずずと。
 おお、こってり系だなあ。にしてもスープ、多いね。麺もトッピングも隠れてしまう勢い。味はよし。濃厚豚骨と味噌との出会いが面白い。これは札幌ラーメンの牙城である味噌ラーメンとは別の文化を創ることができるかもしれない…と思うほどの迫力。よかばいよかばい。ちょっとくらいコンサル系を感じても、モノがよければまたそれもよし。


 次に麺。縮れ系の中太麺。これは博多ラーメンの影響を受けているのか、替え玉を前提とした量なんだろうなあ。ずるずる食っていると、結構すぐなくなりそうだ。スープとの量のバランスがとれてないのかな。ボクが水準点を熊本・桂花に置いているからそう思うのかも知れない。


 食べながら、宣伝ツールを読み返す。黒、白、赤、金のそれぞれのスープと麺のこだわりが、これでもか!というくらい書いてある。にしては厨房が忙しい感じがしない。そのこだわりのすごさに対して、お運びさんも淡々としたバイト風で、迫力がない。ううむ。麺だけではない、この店全体のバランスというのが不思議な感じだ。


 ツールには「宮崎県日向市のとある料理屋。地元のお客様に人気のメニューだった昆布だしの効いたラーメン」と書かれている。今度日向に行ったときに、その原点を見てみよう。これだけのラーメンを、本職の料理の他に出していた店である。人吉の好来のように、すごい店かも知れない。ただ、ここまでコンサル臭を感じる店だ。文中の「とある」というのが引っかかってならない。誰かその店、教えてください。