長崎市万才町:味美 超オーディナリーチャンポン。

shin_papa402008-07-16

 長崎はチャンポンの街だ。
 そういいながら前回は皿うどんを取り上げたので、今回はチャンポンだ。それも観光客が行かないようなところへ行こうと考えた。


 入ったのは万才町というオフィス街の裏道に面した間口2mくらいの小さな店。ドアを開けるとカウンターがうなぎの寝床のように奥に伸びる店で、10席ほどある。


 メニューは定食、ラーメンなどがあり、いわば街の中華屋さんという存在感。壮年(懐かしい言い方かな)のご夫婦とその娘さんで切り回しているようだ。壁には娘さんの手書きだろうか、お客さんへのメッセージが似顔絵やイラスト入りで書いてある。梅雨あけの強烈な暑さに負けないようにとの文面だ。常連さんと店の人びとの世界がきちんとあるんだろうなあと思っていたら、まさに常連さんが入ってきた。店のおばちゃんが怪我している常連さんに「どうしたの?」と尋ねている。こじんまりとした空間の中に広がる雰囲気がいい。


 頼んだのはチャンポン500円。特製チャンポンは700円。この200円の差がどこにあるのかは分からないが、まずはデフォで。


 5分くらいで出てきた。
 トッピングはキャベツ、もやし、豚肉、チャンポン蒲鉾の紅と緑の2種、それにタマネギ。


 まずはスープをずずずと。
 さっぱり系で、塩味が勝ったスープだ。振りかけた胡椒の香りがよく合う。


 麺は唐灰汁の一般的なもの。腰の有る無しではない。この系統の麺は頬張ったときの口の内側の粘膜に感じる満足感が、いいんだろうなと思った。


 トッピングも家庭で作るチャンポンとそう変わるものではない。だがこのタマネギがポイントだと気づいた。塩気がちな全体の味覚にタマネギの甘みがきらりと光る。


 ああ、フツーであることっていいことだなあ。そう実感するしみじみオーディナリーなチャンポンであった。