福岡市天神:四川飯店 陳健民師弟対決(ボクの中での)。
坦々麺である。
以前から熊本のホテルキャッスルの、今は社長となられた斉藤隆士氏が創始された桃花源の坦々麺のすばらしさについて書いてきた。
だが、ここの坦々麺を本当に語るには避けて通れない麺がある。
それは同門の兄弟弟子、陳健一氏の坦々麺だ。
ちなみに、斉藤隆士氏が兄弟子、陳健一氏が弟弟子だ。
ということで博多大丸の陳健一氏率いるお店のイートインに行ってみた。
お昼の時間を避けて行ったのに、20分待ち。待つのはいいんだが、店の前に並べられたイスに座っていると目の前を山のように人が通るから、なんだか落ち着かない。これに耐えるだけでも大変なもんだ。
そうしてやっとカウンターに通される。
頼んだのは坦々麺。汁なしの本場四川の坦々麺もあったが、それでは桃花源のものとの比較ができない。
…と、1分くらいで出てきた。
うおっ。はやっ。
作り置きではないようなんだが、その早さは何なんだろう。
そう思いながら、まずはスープをズズズっと。
見た目は桃花源の見栄えとほぼ同じ。ただゴマだかピーナツだかのペーストは比べると少ない印象。
啜った感じは、その分、確かにコクが少なめ。コクの濃淡でいえば、これはこれでバランスが取れている。
味覚的バランスでいえば、桃花源のほうが甘みを感じるし、そのほかのダシの複雑さもある。四川飯店のほうがシンプルだ。
次に麺をすすると。
おー。
早かった秘訣はこれですか。
麺は博多風。つまり低加水の細麺だ。
こりゃ茹でるの早いや。
ずるずるっと食べる。
一度にたぐる麺の本数が多いから、スープも麺と麺の間に絡まって、非常に具合がよい。だが桃花源の麺のほうが食べでがあるなあ。
できてくるのも早いが、食べ終わるのも早い。
まるで博多長浜ラーメンの世界だ。
結果、ボクの中の軍配は、兄弟子系の桃花源の坦々麺にあがった。
だが、弟弟子の四川飯店の坦々麺も、これはこれでバランスが取れている。もしかすると一気に食べられたのはイートインというシチュエーションでの量の問題もあるかもしれない。これはこれでお勧めだ。