鹿児島中央駅構内 さらに南を目指すのか、駅うどんのはるかなる野望

shin_papa402006-03-21

駅の立ち食いうどんといえば、発車のベルと時刻に急かされてかき込むと相場が決まっている。

鹿児島中央駅のコンコースに、うどん屋と(カッコよく表現すると)焼酎バーがある。

真っ白な新築の空間の中にあるうどん屋
今ひとつ「駅うどん」の緊張感&ゆるさに欠ける雰囲気である。

ここに「とんこつうどん」という一品がある。

実はもう5回も、このメニューを横目で見ながら通り過ぎていた。
それだけのアピール度しかなかったのだ。

先日はつばめに乗るまでに10分間くらいのゆとりがあった。
手持ち無沙汰だったので今回は食べてみることにしたのである。

頼むときは駅うどんの定番である食券制。
とんこつうどんは500円だ。


ここでちょっとご説明。
「とんこつ」というのは鹿児島の郷土料理である。
豚のスペアリブ部分などの骨付き肉を焼酎と黒糖と醤油などでじっくり煮込んだ、焼酎によく合う逸品である。
ボクは小学生のときに修学旅行で鹿児島を訪れ、初めてのその味にびっくりして好きになった。
だから「とんこつうどん」といっても、とんこつスープのうどんということではない。


注文から2分くらいでうどんが来た。
残る時間は8分である。

シンプルな素うどんの上にとんこつが3カケ乗っている。
最初はそのお肉から。
ん?意外としっかりした味。しょうゆベースの煮込み味で、小学生のときの記憶と比べると甘みが少ないかな。骨までしゃぶりながら「どこかで食べた味だなあ」と感じる。
うどん麺は冷凍だろう。しかしちょっと細め。つるりつるりと入る。量は駅うどんとしては多めだ。
出汁は関西風。超絶技巧的薄さにスライスしたかまぼこ、わかめが入っている。

とんこつうどん、鹿児島のほかの店では見たことがない。この店の渾身の一杯であろう。その意気やよし。また、食うかもしれん。
皆様にも、ほかにないこの味を(少し)お勧めする次第である。


〔お店メモ〕
JR鹿児島中央駅新幹線コンコース内。立ち食いではなく、イスはあります。トッピングの肉は写真のとおり意外と食いでがある。十分に時間にゆとりをもってオーダーしてください。
食べながら、どこで食べた味だろうと考えていたら思い出した。まさに沖縄のソーキそばであった。恐るべし新幹線、本当は沖縄まで延ばしたいんじゃないか?と訝しがりながら食べるのが結構快感であったりする。はるかなる南へ想いをめぐらす一杯である。