福岡苅田・資さんうどん 北九州から響灘沿岸に広がるうどんの名店群

shin_papa402006-03-26

もう半年ほど前。
今は熊本に住むK岡君としごとで苅田へでかけ、昼飯場所を物色しながらクルマを走らせていた。


「しん○○さん、あそこはどうですか」
K岡君が指し示すのはケン○キーフライドチキンである。
いやいや、折角あまり来ないここいらまで来たのだから、もうすこし地域性のあるものを食って行こうじゃないの。

「じゃあれはどうですか」
ラーメン屋である。
ぐぐっとココロを動かされてよく見ると…。
昼時だというのに駐車場にクルマが全く停まっていない。
「それは如何なものかと」

「もう、しん○○さんが選んでください!」
ああ、そう怒らんでくれ。
確かに助手席から好き勝手なことをいいながら珍道中で福岡から100キロ近く走ってきたんである。

「お?あそこはどうじゃ?」
そこって、単なるうどん屋じゃないですか?
「いやいや、クルマがたーんと停まっておる」。


妙に派手目の、いかにもロードサイド店全とした外見を嫌がるK岡君を従えて店内に突入した。店の名前は資(すけ)さんうどん。


座った。
さて、頼もう…と。
「しん○○さん、あれ…」
壁に貼ってある紙をK岡君が指差している。
なんじゃ?

…「とろろ昆布は入れすぎると辛くなります」
そりゃなるじゃろう、入れすぎると。

つか、入れ過ぎないだろう、ふつう。
メニューに「おぼろうどん」とかあって、店の人が入れてくるだろう、フツー。なあ、お前…。


と、目の前に、「もういくらでも入れてくれっ」とばかり置かれているとろろ昆布が目に入った。

入れ放題かいっ?

入れ放題であった。

そのときに頼んだのは「ごぼう天うどん」。
とろろ昆布攻撃でのっけからパンチを食らっていたが、うどんはしっかりと旨かった。

ということで再度行きましたです。
というよりも、「あまり来ない」と思っていた苅田にその後10回近くも行くことになったのである。そのたびに行くのは「資さんうどん」。満足度120%である。

先日頼んだのもごぼう天うどん。
福岡ではごぼう天うどんが最もえらい。(これが熊本では肉うどんとなる)
ここのごぼう天は牛蒡を長さ10センチ、断面1センチ×5ミリくらいに切って、しっかり揚げてある。牛蒡の食感を残しながらもきちんと火が通っており、牛蒡を食べたなあっという満足感のあるテクスチャーだ。
うどん麺は普通の太さ。表面コンマ何ミリかがふわりとした唇あたりで、中はゴム系のしっかりとした腰。食べ応えグッドである。


この店、店主はもと電気屋さんであったが、電気工事中に転落して怪我をし、「痛くない職業を」ということでうどん屋を始めた由。
しかもチェーン店。だがどの店も旨いという。そしてどの店もおばちゃんがいっぱい働いており、どの店も決して(○ク○ナルドのような)流れるようなオペレーションではない。それがまたいい味なんである。

帰りにはお約束の「ぼた餅」5個いり550円をご購入。大満足であった。


〔お店メモ〕
北九州から大分県中津あたりまで分布していると聞いたが定かではない。行橋にはあった。メニューは、心構えしていかないとメチャクチャ迷うほど、ある。しかも安い。上記ごぼう天うどんは380円! 写真はとろろ昆布、天カスと一味を投入後。超絶技巧的薄さにスライスされたカマボコと器に「資」の文字が躍る。