福岡六本松・琉球ヌードル 深夜に花咲く沖縄語りのメッカ

shin_papa402006-04-01

その日は年度末。
同僚のU野君と会社をでたのは夜中の12時になろうかという時間だった。
猛烈な勢いでシゴトをこなしていたので、二人とも夕飯を食っていない。
まあ、真夜中に「夕」メシというのも如何かとは思うが。


「そういえば、六本松に沖縄そば屋がありますよね」
そうそう、あるある。ボクも行ったことがある。
「いっつも僕が行くとしまってるんですよ」
あれ、ボクが行くときはいつも開いてるなあ。
じゃあ、行ってみようかということになったのである。


やはり今日も開いていた。
沖縄そば屋であるが、若干のつまみと酒がある。


「いっつも僕が来ると閉まってるんですよねー。いつも何時までやってるんですか」
U野君が店主に聞いた。
「ウチは午前3時までですね〜」


おいおい。U野君、午前3時を過ぎて、ここへ来てたんかい?
そりゃ無理っちゅうもんじゃ。
ともすれば朝日を浴びながら沖縄そばを食うというシチューエーションぞ。
無理ばいた、そら。

などと突っ込みを入れながら。

大人が二人で夕飯をといえば、まずは「生いっぱい」から始まるのである。
「オリオンですが」
はいはい。気分が出ますね。
店はカウンターのし。
ちょっとできの悪いファストフード風である。違うのはカウンターから一坪くらいの厨房が丸見えで、そこに寸胴鍋が二つ並んでいるというところである。
ひとつの大きい方の寸胴では出汁が湯気を上げ、小さい方にはソーキが入っている。


少々甘めの味付けのミミガーでビールを飲み、硬い島豆腐でボクは瑞泉ロックを3杯。
そして最後の締めはソーキそばである。


寸胴から出汁を器に注ぐ。鍋の中で出汁を濾すのが見える。手作りのスープはすっきりとした味。カツオダシが勝ち目で、後味も爽やかだった。麺は沖縄で食べるものよりも歯ごたえがしっかりしている。ソーキは大ぶり。プリプリしたお肉のカタマリ。ゼラチンのところはお約束のトロトロである。こりゃあ旨いなあ。

石垣出身という店主が作り出した福岡六本松独自の沖縄そばという風情。
これも、九州ではとてもアリだと思う。


〔お店メモ〕
福岡市六本松にある。バス停で言えば、六本松大通バス停の近く。
深夜にココに集うお客から必ず出る話題は「今週末、沖縄に行くよ]「先週沖縄に行ったよ」「沖縄に行くんだけどさ」「沖縄いいよね」と、みーんな沖縄のこと語りたい人ばっかりなんだね。まあボクもU野君と沖縄出張の話題で盛り上がったんだけど。
泡盛をつかったカクテルなんかもありらしい。ボクは飲まんけど。
表には「RYUKYU NOODLE」と大書きしてある。ちょっと店主の気概を感じるところである。