熊本人吉市下青井町:好来 名物に旨いものあり、それは黒ラーメン。

shin_papa402006-07-11

黒いラーメンがある。
人吉盆地に仕事ででかけるようになってから、様ざまな人たちから聞かされたのである。
あるお得意様の社長がいうのである。
「君、黒いラーメンは、食べたことある?」
しかも、嬉しそうにニコニコしながら、いうのである。


黒いラーメン?
こんなところでイカ墨でも入ったのがあるのか?


その社長はほかにも、
「西峯ラーメンって、看板が出てないところがあるけど、そこの地獄ラーメンって知ってる?」
とか、
「多良木の松下というレストラン、知ってる?そこのAランチ、食べたことある?」
とか、ニタニタ笑いながら聞いたり勧めたりするのである。


思えばボクの周りにこのような素敵な方々が多かったことが、ボクの食への興味を引き出したのかもしれない。


さてその黒ラーメンである。
鮎、焼酎と並ぶ人吉の名物である。
鉄鍋餃子とか、おデブな娘が遠くからソファの上を走りながらやってくる迫力のランパブなんてものも、まあ名物ではあるが。

初めて好来に行ったのはそういうわけで8年位前である。
そのときは驚いた。


そして先週、また行ってみた。
また驚いた。
確かに黒い。
でもスープも麺も、そんなに黒いわけではない。
焦がしニンニクと、大量に入っているキクラゲのせいで黒く見えるのである。
驚きを新たにするのは、まずは色であり、量である。
なみなみと注がれたスープの下には、膨大な、という表現が当てはまるほどの麺が隠れている。その麺がまた秀逸。しっかりと小麦の噛み締め感を感じる、熊本ラーメンの本道である。
人吉地区のラーメンの特色であるもやし、キクラゲの下にはしっかりとしたチャーシューが2枚、潜んでいる。


大量だから食えないかと思えば。
最初は香ばしさを感じるスープは、やがて酸味と甘みを感じる。それをキクラゲのコリッと感、もやしのシャキシャキ感がアクセントとなり、意外とワシワシ食い進むのである。
そして完食。


一時期、熊本市内にここの息子さんか何かが、ちょいとこれをソフィスティケートさせたラーメンを出す店をやっていた。
でもここの麺の底力は、この味、量、組み合わせでないと、難しいのではないかと思った。

場所は人吉の青井神社の裏。店は小さく、こういっては申し訳ないがキチャナイ。
でも、ぜひこの味と迫力を味わってみてください。