福岡市大手門:あま太郎 博多ちん麺のキホンを押さえる。

shin_papa402007-04-21

過日、応用編のちん麺を食べた後、無性にキホンを押さえたくなった。
そこで仕事で百道浜へ行った帰り、ちょうど昼時になったので西公園前でバスを降りた。
季節はまさにウララカな春。
表通りの昭和通を避けて、一本裏の道をブラブラと店まで歩いていく。
先の戦争で空襲に遭ったのだろう、木造の建物は殆どない。
けれど点在する寺社と町割に古い城下門前町の風情を感じる。


そうして歩いていった簀子公園の端っこの前。
小さな四辻の一角にあるのが「あま太郎」。
以前職場の先輩に連れられてきたことがある。
博多初心者のボクに、博多のあれこれを教えてくれていたのだ。


戸をあけて中を見ると。
おばちゃんが客席に座って新聞を読んでいる。
厨房は…と見ると誰もいない。
昼時だけれど、ボウズだったんだな。
ボクを見ると、おばちゃんはすいっと立ち上がって厨房に入った。


「五目ちん麺、ください」
はーいといいながらさっそく準備に掛かるおばちゃん。
見回すと、「進村製麺所」というモロブタが目に入った。

数分して、目の前にちん麺が。


わははは。
奇をてらわない素敵な面構え。

まずはスープをば。
ズズズ。
トリガラスープなんだろうけど、塩気と甘みを結構感じる。
上品ではないが、かといって下品でもない。
トッピングのほうれん草に結構合うスープだな。


麺は…?
ちゃんぽん麺より細め。
黄色味がかった、エッジのたった麺で、断面は長方形。
コシは、ないな。
これは博多うどんの伝統を受け継いでいると見た。


トッピングは、ハムメーカー既製の「焼きブタ」のスライス。
あの、スーパーに良く売っている調味液につけたハムタイプのもの。
業務店でこれを利用しているのは初めて見たが、却って家庭料理っぽくてこの店の雰囲気ならば、よし。
そしてほうれん草。
ちくわの輪切り。
もやし。
ゆで卵の半切りとカマボコ。

そして忘れてはならないのが数片浮かんでいる「ニラ」。
このニラが微妙にソウルに訴えかけてくるんだなあ。


店の中は換気扇の音。
つけっぱなしのAМラジオのトーク
そして開けっ放しの戸の向こうにさんさんと降り注ぐ春の日差し。


いいじゃないか。
街角のフツーが、静かに幸せに横たわっているそんな博多の午後にぴったりだ。