福岡市今泉:中華しんちゃん 深皿盛りのフツーのちゃんぽんがよいね

shin_papa402007-06-01

野菜を食いたいっと思うときがある。
東京なら野菜炒め定食、レバニラ炒め定食ということになる。
いずれも定食だ。
どうもちょいとヘビーな「食事」である。

そこいくと九州人は楽だ。
「ちゃんぽん」「皿うどん」という身近で手軽な選択肢がある。


先日も野菜を食いたい気分だった。
午前中に西鉄電車に乗って郊外へ行く用事があったので、昼ごろに天神に帰ることにしてどこに行こうか考えた。

しゃっきりとした歯ごたえのキャベツが載っているのがいい。
なれば下町系だけれども火力の強いバーナーで料理する雰囲気の店だな。


ということで導かれたのが「中華しんちゃん」。
すぐ横には筑豊ラーメンの山小屋、アジアエスニックちゃんぽんとかで有名なナーナがあるがわき目も振らずに店に入る。


スツールに座ってメニューを見る。
おお。味噌ラーメンも旨そうだなあ。
けれど初志貫徹だ。
「ちゃんぽん下さい」。


ややあって、出てきた。


そこでフと気がついた。
ちゃんぽんには大きく分けて二つの系統がある。
一つは深い丼にナミナミと注がれたスープに泳ぎながら出てくるもの。
キャベツなどの野菜は比較的火が通っており、ニチャリとした食感が優しいものが多い。

もう一つは足が高い深皿というか、いうなれば巨大な盃のような陶器に盛られて出てくるもの。
さすが日本の麺の発祥の地である九州だけあって、古代の食器の高盃(たかつき)の系統を受け継ぐ食器なのか?
(めちゃくちゃ強引な展開だが)
スープはそれほど多くなく、麺が盛られてその上に炒められた野菜や豚肉などがコンモリと盛られて出てくる。
野菜はシャキリとした食感のものが多い。


中華しんちゃんのちゃんぽんは後者である。


サッと炒められたことが一目で分かるキャベツ。
2センチ四方くらいに切られている。
もやしや豚肉、薩摩揚げ類と一緒に口に放り込む。
キャベツとモヤシがシャッキリ。
豚肉が微妙なニュアンスを加えながら、練り物系がニチャリとした食感。
そしてサッパリとした塩味を伝えてくる。
咀嚼するごとにキャベツの甘みが出てくる。


旨いですねえ。
九州で生活している(小さな)醍醐味を感じるヒトトキである。


スープはトリガラ系かな。
すっきりとした味わい。


長崎から始まったというこの麺も、九州の町ごとに少しずつオリジナルな特色を持ち始めている。


いいなあ、九州の麺の世界は。