福岡市六本松:めんちゃんこ亭 なるほどこれも博多の文化の形である

shin_papa402008-03-23

3月3日から長崎赴任となった。
しばらく更新が滞っていたのは、新居のネット環境が整わなかったり忙しさにかまけたりしていたからだ。
申し訳なし。


さて、3月も3回目の週末だが、最初の2回は故あって熊本へ里帰り。
そしてやっとこの週末に博多へ帰ったのだった。
単身赴任だから、家族に博多で会えるのはうれしいもんだ。


そうして帰った木曜日(祝日)だったのだが。
妻と子供たちはバスケットの試合に行くとかで朝からお出かけ。
ま、うちはすれ違い夫婦なんだから、そういうこともあるわな。


ということで昼飯を食わんとイカンと街に出てみた。
ちょっと歩くと九州大学のお膝元の街、六本松に行き着く。
歩きながら考えたのだが、単身赴任とかしていると、博多に戻ってきてもちょっとしたエトランゼ感覚なんである。
普段はそれほど思わないのだが、やはりここは博多らしいものを食っておきたい。
それでふと思いついたのは「めんちゃんこ亭」。


「ちわー」と入っていくと、午後2時頃の休日のめんちゃんこ亭はお客さんがちらりほらり。
「何にしますか〜」と聞かれて、ちょっとメニューを見て考えたがやはりここはベーシックな「元祖めんちゃんこ」にしておいた。


5分くらい待たされて。
「おまちどーさまー」と来るのをみると、鉄鍋と例の木製の匙みたいなのがついてる。
…だよな。
だって、ちゃんこだもん。


そうなんである。
簡単にいうと、鍋の最後の〆の麺投入の場面だけを切り取ったのがここの麺なんである。
それは博多が相撲の巡業地であって、その相撲部屋でちゃんこ鍋のご相伴にあずかったここの店主が、そのうまさを皆に楽しんでもらおうと苦労の末に作りあげた味なんだそうだ。だからダシの取り方が凄い。
ハモ、鰹節、鶏ガラ、その他もろもろ。
だからこの店ではスープはスープと呼ばず「ソップ」と呼ぶ。

もう、ゴッツアンです…といいたくなるシチュエーションだ。


トッピングは餅(!)、揚げ(!)、そしてもやし、肉など。
もう、本当に鍋モンチック。


麺はしっかりとしたダシを受け止めるオリジナルな太麺。


木の匙でずるずるとソップを啜る。
そしてセオリー通り柚子胡椒を投入。
もう、ますます鍋モンチックなんだが、さらに旨くなるんだから仕方ない。


ずるずる食って温まって、満足して、しかも値段は500円台。
麺食発祥の地にあって、相撲巡業という歴史を背負った名麺である。
文化を引っさげた庶民価格は、文句あるなら言ってみろ!といいたくなる一杯である。